【ゲーム個人制作のコウテイ・企画偏】#5 企画書を作成する

ユニティちゃんとIndie Game Developer Roadmapの文字 ゲーム個人制作のコウテイ

企画書を作る

作るゲームの案が決まったら、企画書の作成に入ります。ゲーム個人制作で挫折する理由は、完成形が明確になっていないことが大半だと思います。

「このイベント追加したいなー!」「この機能追加したらもっと面白くなるなー!」と次々に要素を追加していった結果、完成に至らない…なんてこともあるかと思います。よく「エターナる」なんて言います。

エターナる

ゲーム制作界隈の俗語で「未完成のまま、ずっと放置される」「永遠の未完に終わる」という意味です。

完成形を明確にするため、自分の、自分による、自分ための企画書を作ります

タイトル(仮)

企画書に入っている段階なのでイメージは固まっているはずなので、それっぽい名前を便宜上付けておきます。この段階では登録商標などは気にしません。

(例)

  • お菓子パズル
  • 犬猫カードバトル
  • サラリーマンRPG

ゲームアイコン(仮)

「このゲームアイコンをストアにならばせてやるぞ!」というモチベーションやイメージを固めるために最初に作ることが多いです。

この段階では、白か青の背景にお気に入りのキャラクターを乗せただけだったり、キャラクターの顔の部分をトリミングしただけの簡単なものが多いです。そのまま採用ってこともしばしばあります。

(例)

ジャンル

このゲームがアクションなのか、パズルなのか、RPGなのか、シミュレーションなのか…明確にしておきます。マーケティングをする際にも便利です。

描画の仕様を決める

作ろうとしているゲームを2Dにするのか、3Dにするのかを決めましょう。注意しなければいけないのは、3Dが2Dの上位互換というわけではなく、それぞれの特徴を生かした企画が重要となります。

2D

2DのSprite Renderer(スプライトレンダラー)による画像の描画がメインで構成されたゲームで、平面の作品を作るのであればこのスタイルがおすすめです。ドット絵(ピクセルアート)との相性が良く、物理演算を常時扱うプラットフォーマー・パズルアクションや、オブジェクトの移動を多用するシューティングなどのジャンルで処理が軽いのが特徴です。

3D

奥行(Z軸)が加わることで、遠近法を用いたカメラワークやライティングを用いた写実的な描画が可能。画像の描画はMesh Renderer(メッシュレンダラー)がメインで、マテリアルとテクスチャを使うことでリアルな質感を表現できるのが特徴。

ターゲット

これはジャンルと同時に決まることが多いです。その世代で流行っていたゲームのジャンルがターゲットになります。ポイントとして、「年齢・性別・〇〇が好きな人」の3点で決めています。

(例)

  • テトリスが好きな50代男性
  • マジックザギャザリングが好きな40代男性
  • ツムツムが好きな30代女性

実はここが企画最初のボツポイント。新しいユーザー層を開拓する挑戦もアリにはアリですが、あまりにも限定的なターゲットとなる場合はボツも視野に入れましょう。

制作期間

制作にかける期間を先に決めます。これにより、ボリュームとのバランスがとれなくなった時に敵の種類を減らす、キャラクターのセリフやイベントを減らす、ステージを減らす、などの調整が可能となります。

個人的には1週間~3か月くらいに設定します。私だけかもしれませんが、半年とかだともうモチベーションが保てません。これは個人の能力や性格次第かもしれません。

ボリューム

制作期間を参考に、ステージの数・キャラクターの数・カード種類・技の種類・敵の種類などを決めます。実はここが一番難しい。自分が初めて実装する機能がある場合はつまづく可能性もありますし、自分というモノは自分が一番よくわかっていないことが多いので。

制作期間とボリュームのバランスが重要

制作期間の長さに対してボリュームが大きすぎたり、そもそも制作期間が長すぎるような企画は再考の余地ありです。

制作期間3年で壮大なストーリーのRPGとか、制作期間1ヵ月でカードの種類が500種のカードゲームとか、もう挫折する未来しか見えません

初めてゲーム個人制作をする方は、次項の#6 ボリューム管理と効率化ツールで詳しく解説しますので、この時点では空欄でも大丈夫です。

ゲーム内容

どんなゲームなのかを記述します。イメージが固まっているのであればサクサク書き出せるかもしれません。

(例)

  • 逃走中みたいな感じ・キャラが走ってオッサンから逃げる・賞金を稼いでキャラを強化・さらなるハイスコアを目指すアクションゲーム
  • 動物版アールライバルズ・互いに1枚ずつカードを出し合いスキルを発動して対戦・報酬のコレクションの完成を目指す対戦カードゲーム

セールスポイント

ここで自分の作ろうとしているゲームが果たして面白いゲームなのかを検証します。このセールスポイントが明確になっていると、ストア画面の作成時にとても楽になります。

前項のボリュームに対して、このセールスポイントが少ない企画はボツにすることが多いです。

ここでふるいにかかる企画が後を絶ちませんww

セールスポイントで注目する4点

以下の4つのポイントがゲームに含まれているかを検証します。私の場合、ここでは描画的な要素(キャラが可愛い・グラフィックが綺麗)は扱わず、あくまでゲームメカニクスが面白いかという観点で判定します。

  • 達成感=全ステージをクリアする・ランキング・コレクションを完成させる 等
  • 成長感=レベルがあがる・使えるカードが増える・パーティーメンバーが増える 等
  • 高揚感=強いボスと戦う・感動的なストーリー・即ゲームオーバーのスリルがある 等
  • 爽快感=戦略がハマって勝利・攻撃で敵が大量に吹っ飛ぶ・自由自在に移動できる 等

マネタイズ

ゲーム制作のマネタイズとして3つのモデルが一般的です。

  • 買い切り
  • 課金(サブスクリプション)
  • 広告

買い切りはアプリに値段をつけて販売する方法で、課金はプレイヤーに追加機能やゲーム内通貨を購入してもらう方法です。

前項でもお伝えしたとおりこのブログではAdMobによるマネタイズを推奨しています。

では、どのゲームにどの広告を使用するのが最適か解説します。

  • バナー=画面の上か下の帯状の広告。画面の表示領域の縮小によりユーザーエクスペリエンスが悪化するアクションやシューティングは向かない。動的な操作が少ないシミュレーションや、広告の表示時間が長くなるパズル向き。
  • インタースティシャル=画面が切り替わる時に画面全体に表示される広告。プレイ回数が多いアクションやシューティング、ミニゲーム向き。
  • リワード=広告を最後まで再生した場合のみ報酬が発生する動画広告。脱出ゲームやパズルのヒント、ゲーム内通貨を与えたりするのに効果的。
  • アプリ起動=アプリの起動時に表示される全画面の広告。起動時は大人が操作し、プレイ中の誤タップ防止の面から子供向けアプリや起動回数が多くなるニュースアプリなどに向いている。

自分の企画したアプリに事前に組み込む広告を決めておくことで、あとからUIのサイズを変更したり、画面遷移を変更したりすることがなくなります。

企画書を完成させる

仕様が決まったら、企画書を完成させます。各項目に漏れがないかチェックし、保存しておきます。

下の画像は実際に私が企画をGoogleスプレッドシートに書き込んだものです。本来は誰かに見せるわけではなく、自分が理解できれば問題ないので、完璧に仕上げる必要はありません。

まとめ

企画書の作成に必要な項目のまとめは以下の通りです。

  • タイトル(仮)
  • ゲームアイコン(仮)
  • ジャンル
  • ターゲット
  • 制作期間
  • ボリューム
  • ゲーム内容
  • セールスポイント
  • マネタイズ

他にも必要に応じて、ゲームサイクル外部サービス(PlayfabやPhoton)などを記載しておくと、制作がスムーズになります。企画書が完成したら、次はスケジュールを立てる前に、ボリュームと制作期間のバランスを調整してきます。

ゲ制最高!

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