私は35歳の時(コロナ禍で家に閉じこもってゴロゴロ)に「このままでは自分がダメになってしまう!!」と感じて、幼少期に憧れたゲーム制作をゼロから始めました。
初めてゲームをリリースしてから半年で17本のゲームをGooglePlayで公開することができ、Admobから報酬を受け取ることもできました。
2年経った現在でも、ゲーム制作をやる際にやっていることを備忘録として残しておきます。
※よく「変わっている」「変人」などと呼ばれるので、参考になることはあまりないかもしれませんがww興味があればぜひ最後まで読んでいってください!
企画
企画と制作計画がゲーム制作の成否を決めると言っても過言ではないと思っています。
セルフブレインストーミング
まずは、セルフブレインストーミングを行います。
やり方は、単純に作りたいゲームのアイデアをひたすら出していくだけなのですが、この段階での実現性やマーケティングは無視してノートに書き出していきます。
アイデアに詰まったら、色々なゲームをプレイしてみたり、アナログのボードゲームや昔ながらの遊びなどに触れて視野を広げます。
マーケティング
作りたいゲームのアイデアをたくさん出して、その中から作りたいゲームが決まったら、市場の競合相手を調査します。
Google Play,App Store,Steamなど、自分が作ろうと考えているゲームに似たゲームを探します。
あまりに競合相手が多かったり、大手が参入しているようだと、せっかく作ったゲームが誰にもプレイされず埋もれてしまいます。
私のような個人開発者は競合相手を調査し、ゲーム市場でのバリュープロポジションを見つけていくことが重要になります。
簡単な企画書を作る
作るゲームの案が決まったら、企画書の作成に入ります。ゲームの個人制作で挫折する理由は、完成形が明確になっていないことが大半だと思います。
「このイベント追加したいなー!」「この機能追加したらもっと面白くなるなー!」と次々に要素を追加していった結果、完成に至らない…なんてこともあるかと思います。
世間では「エターナる」なんて言いますよね。
完成形を明確にするため、私はGoogleスプレッドシートで簡単な企画書を作ります。その際に色々な項目を作りますが、絶対に外さない項目は以下の通りです。
- タイトル(仮)
- ゲームアイコン(仮)
- ジャンル
- ターゲット
- 制作期間
- ボリューム
- ゲーム内容
- セールスポイント
- マネタイズ
他にも必要に応じて、ゲームサイクル・外部サービス(PlayfabやPhoton)などを記載していきます。
タイトル(仮)
企画に入っている段階ですでにイメージは固まっているので、それっぽい名前を便宜上付けておきます。この段階では登録商標などは気にしません。
ゲームアイコン(仮)
「このゲームアイコンをストアにならばせてやるぞ!」というモチベーションやイメージを固めるために最初に作ることが多いですww
この段階では、白か青の背景にキャラクターを乗せただけの簡単なものが多いです。
ジャンル
このゲームがアクションなのか、パズルなのか、RPGなのか、シミュレーションなのか…明確にしておきます。マーケティングをする際にも便利です。
ターゲット
これはジャンルと同時に決まることが多いです。その世代で流行っていたゲームのジャンルがターゲットになります。
ポイントとして、「年齢・性別・〇〇をプレイしたことのある人」の3点で決めています。
制作期間
制作にかける期間を先に決めます。
これにより、ボリュームとのバランスがとれなくなった時に敵の種類を減らす、キャラクターのセリフやイベントを減らす、ステージを減らす、などの対策が可能となります。
個人的には1週間~3か月くらいに設定します。半年とかもうモチベーションが保てませんwwこれは個人の能力や性格次第かもしれませんが…。
ボリューム
制作期間から、ステージの数、キャラクターの数、カード種類、技の種類などを決めます。
実はここが一番難しい。自分が初めて実装する機能がある場合はつまづく可能性もありますし、自分というモノは自分が一番よくわかっていないことが多いので。
制作期間の長さに対してボリュームが大きすぎたり、そもそも制作期間が長すぎるような企画は再考の余地ありです。
制作期間3年で壮大なストーリーのRPGとか、制作期間1ヵ月でカードの種類が500種のカードゲームとか、もう挫折する未来しか見えませんww
ゲーム内容
どんなゲームなのかを記述します。結構ざっくり書きます。例えば、
「逃走中みたいな感じ・キャラが走ってオッサンから逃げる・賞金を稼いでキャラを強化・さらなるハイスコアを目指すアクションゲーム」
「おりじあ版アールライバルズ・互いに1枚ずつカードを出し合いスキルを発動して対戦・報酬のコレクションの完成を目指す対戦カードゲーム」
みたいな感じです。
セールスポイント
ここで自分の作ろうとしているゲームが果たして面白いゲームなのかを検証します。
このセールスポイントが明確になっていると、ストア画面の作成時にとても楽になります。
前項のボリュームに対して、このセールスポイントが少ない企画はボツにすることが多いです。というか、ここでふるいにかかる企画は後を絶ちませんww
以下の4つのポイントがゲームに含まれているかを検証します。私の場合、ここでは描画的な要素(キャラが可愛い・グラフィックが綺麗)は扱いません。
- 達成感=ゲームをクリアする・ランキング上位に入る・コレクションを完成させる 等
- 成長感=レベルがあがる・使えるカードが増える・パーティーメンバーが増える 等
- 高揚感=強いボスと戦う・感動的なストーリーがある・ゲームオーバーのスリルがある 等
- 爽快感=戦略がハマって勝利・攻撃で敵が大量に吹っ飛ぶ・自由自在に移動できる 等
例・ナムナイツ
例として、私が実際に作ったゲーム「ナムナイツ」では以下の点をセールスポイントにしています。
- ブラックジャック特有の「数字がオーバーするかもしれない」というカードを引く時の高揚感
- 自分の戦略で構築したデッキで勝利した時の爽快感
- ガチャによってカードが増えることでデッキの選択肢が広がる成長感
- ガチャによって「強力なカードが当たるかもしれない」という高揚感
- クエストで入手できるコレクションアイテム収集による達成感
- シナリオモードをクリアする達成感
…といった具合です。
マネタイズ
ゲーム開発のマネタイズとして3つのモデルが有名です。
- 買い切り
- 課金
- 広告
買い切りはアプリに値段をつけて販売する方法で、課金はプレイヤーに追加機能やゲーム内通貨を購入してもらう方法です。おすすめは広告で、会社はAdMobが圧倒的におすすめです。
広告はビジネスモデルとして優秀
もし、あなたが広告を出すとしたら、どこに出しますか?無人島に看板を立てますか? 学生に結婚式の広告を出しますか?
広告主としては、できれば自分の会社の商品に興味を持ってくれそうな人がたくさん集まる場所に広告を出したいのです。つまり、道路に大きな看板を立てたり、新聞に折り込みチラシを入れるのではなくターゲットを絞りたいのです。
例えば、ゲーム内の広告ならすでにゲームをプレイしているという時点で、100発100中でゲームに興味がある人が広告を見てくれることが確定しています。
なので、我々がゲームを作って広告を貼ることで、広告主・制作者・プレイヤーがそれぞれWIN-WINの関係を築くことが出来るモデルということになります。
広告にもそれぞれ種類がありますが、ここでは4種類の広告と設置に向いているジャンルについて解説します。
- バナー…画面の上か下の帯状の広告。画面の表示領域がカギとなるアクションやシューティングは向かない。画面の切り替えが少ないパズルやシミュレーション向き。
- インタースティシャル…画面が切り替わる時に画面全体に表示される広告。プレイ回数が多いアクションやシューティング、ミニゲーム向き。
- リワード…広告を最後まで再生した場合のみ報酬が発生する動画広告。脱出ゲームやパズルのヒント、ゲーム内通貨を与えたりするのに使用。
- アプリ起動…アプリの起動時に表示される全画面の広告。起動時は大人が操作し、プレイ中の誤タップ防止の面から子供向けアプリに向いている。
自分の企画したアプリに事前に組み込む広告を決めておくことで、あとからUIのサイズを変更したり、画面遷移を変更したりすることがなくなります。
制作計画
自分の企画書を見て「これはいけるぞ!」というものが出来たら制作計画を立てていきます。「予定は未定にして決定にあらず」なのでざっくりとしたものを作ります。
スケジュール管理
まずは制作期間内で、「〇月〇週=プロトタイプ完成」「〇月〇週=リリース予定」みたいな感じでざっくりしたものを作ります。
タスク管理
必要なタスクを書き出していきます。私はGoogleスプレッドシートを使っています。
本当は事細かく、「〇〇シーン・〇〇のアニメーション」「〇〇シーン・〇〇の内部処理」とか分けたほうがいいのでしょうが、私はかなりざっくりです。
「〇〇シーン・プロト」「〇〇シーン・テスト」「〇〇シーン・完成」のように各シーンの進捗状況が分かればそれで良きと思っています。
制作
制作計画が完成したらいよいよ制作に取り掛かるのですが、この時点で勝負はほぼ決まっています。
ここからは企画と制作計画に沿って行動していくだけなので、ぶっちゃけもう作るだけですww
企画が粗末なら、残念ながらゲームが完成しないか、誰にもプレイされず埋もれます。
企画から規格へ
もうこの段階に入ったらよほどの不具合がない限り企画の変更はしません。企画はここからは規格として、完成というゴールへの道標となります。
プロトタイプを作る
メインとなるゲーム部分の演出(アニメーション・サウンド・描画)を省いたモノを作ります。
これで実際に遊んでみて、つまらなかったらボツということもあります。
ゲームを完成させる
プロトタイプで遊んでみて「これはいけるぞ!」となったら、あとは企画と制作計画に沿って作り込んでいくだけです。
テストプレイ
演出や音も実装したらテストプレイを行います。自分以外の人にもテストプレイしてもらったほうがバグを検出しやすいので、私の場合は友人や娘にプレイしてもらっています。
リリース
ストア画面の作成
ここまで来たらリリースは目前ですが、企画・制作計画と並び、ここもかなり重要な段階だと認識しています。
タイトル
この段階で、正式なタイトルを決定します。登録商標などに気を付ける必要があります。
タイトルは、ゲーム内容が伝わるようなものがいいと思います。
独自の名前を付ける時は「○○ – トレーディングカードゲーム」「○○ – 育成RPG」というように、後ろにサブタイトルでジャンルを付けると分かりやすいと思います。
「ナムナイツ」は正直失敗ですww
スクリーンショット
ストア画面の作成には様々な画像が必要となります。Google Playの場合だと、
- ゲームアイコン
- スクリーンショット
- フィーチャーグラフィック
…です。
特に、タイトルに続いてゲームアイコンとスクリーンショットは、ゲームをインストールする前にゲームをアピールできる唯一の場だと思っています。
これは私の友人の料理人が言っていた言葉ですが、
「料理は一口目を食べてもらうまでは、見た目と香りが全て。」
どんなに味が良くても、まずは食べてもらえなければ意味がないとの事でした。
ストア画面とはまさに、料理の見た目と香りそのものだと思います。
私の制作した「ナムナイツ」では以下のようになっています。まずはゲームアイコン。
この画像は、背景は青のグラデーションで、ゲーム内で一番お気に入りのキャラクターを載せています。基本的に文字は使いません。
このアイコンとタイトルで、世界観がファンタジーでバトル物だという事が分かってもらえるかと思います。
そして、スクリーンショット。
ブラックジャックを取り入れた対戦カードゲームで、デッキを構築してカードやアイテムを集めるゲーム内容が分かってもらえると思います。
ストア画面に動画を入れることもあります。ちなみにナムナイツのPVのナレーションは私です。いつ聞いても活舌ヤバいww
宣伝
私は制作の段階から進捗をSNS(Twitter)で公開しています。完成した際もSNSを通じて宣伝するようにしています。
また、スマホアプリ専門サイトなどに掲載して頂けた時は、そのタイミングでもう一度宣伝するようにしています。
最後に…
このブログ記事の文章量の割合からも分かるように、企画がゲーム個人制作において大きなウエイトを占めているとご理解いただけるかと思いますww
ここまで偉そうに長々と書いてきましたが、これが正解というわけではなく、ひとそれぞれにスタイルがあっていいと思います。
ここまで私の駄文を読んで頂きありがとうございました!ゲ制最高!
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